多くの飼い主が「小さいほうが扱いやすく、飼いやすいはずだ」と思い込んでいる。しかし動物行動学の視点に立てば、この直感はしばしば裏切られる。もともとウサギ猟のスペシャリストとして狭い巣穴へ果敢に潜り込むために小型化されたカニンヘンは、テリア種にも通じる研ぎ澄まされた警戒心と、獲物を決して逃さない執着心を色濃く残している個体が少なくない。
著名なドッグトレーナーであるシーザー・ミランが長年説いてきたように、犬のサイズと要求されるリーダーシップや運動量は比例しない。むしろカニンヘンは小柄ゆえに神経質になりやすく、わずかな生活音に過剰反応して無駄吠えに発展しやすい傾向がある。対するミニチュアは、アナグマ猟犬としての粘り強さこそあれど、体格にゆとりがあるぶん精神的にもどっしり構える個体が多い。「部屋が狭いから」「散歩の時間を削りたいから」という安易な動機でカニンヘンを選ぶことこそ、初心者が陥る最大の罠なのだ。