いま中国市場で顕在化しているのは、著作権フリーとなった初期意匠と、現代版ミッキーの商標権との間にあるグレーゾーンを突いた巧妙なビジネスだ。露店やECモールでは、初期デザインをあしらったアパレルやトイが無数に並び、消費者の購買意欲を刺激している。どこまでが合法な二次利用で、どこからが違法なコピー品なのか。この境界線の曖昧さが、巨大な偽物マーケットの温床となっている。
この混乱は、ウォルト・ディズニーのドル箱である上海ディズニーリゾートの収益モデルにも直撃した。パーク周辺のショップでは、正規ライセンス商品の半額以下で類似グッズが出回る事態が多発。パーク内のプレミアムな体験価値と、一歩外に出た際のローカルな商魂のギャップに、現場の運営陣は頭を抱えている。巨大テーマパーク産業におけるブランドの独占性が、かつてない試練を迎えているのだ。