南斗六聖拳の「妖星」を司るユダは、自らの美と知略を至上とする男でした。しかし修行時代、レイが舞う南斗水鳥拳のあまりの華麗さに心を奪われ、生まれて初めて「他者の美」に敗北したという激しい劣等感を抱きます。その屈辱を覆すため、ユダは南斗の分裂を画策し、マミヤの故郷を襲撃して両親を殺害、彼女を自らの部下として連れ去る暴挙に出ました。
白髪となり、心霊台の激痛を耐え抜いたレイは、マミヤの20歳の誕生日にユダとの決着をつけるべく対峙します。ダムを決壊させて足場を奪うユダの知略「南斗流砂斬法」により窮地に立たされるものの、レイは水面を蹴り上げ、南斗水鳥拳の奥義「飛翔白麗(ひしょうはくれい)」を放ちます。
空中に舞い上がったレイの姿は、陽光を背に受けて神々しいまでの美しさを放ちました。ユダはその美に見惚れ、一瞬の隙を生んで両肩を深く切り裂かれます。死にゆくユダは自らの手でレイの刃を胸へと引き込み、「おれがただ一人認めた男」と呟きながら息絶えました。敵にすら美を認めさせ、その魂を浄化させたこの一戦は、南斗聖拳のエピソードの中でも屈指の美しさを誇る名場面です。