このスラングが他のネットミームと一線を画していたのは、表記が「言語としての退行」を模倣するメタネタへと進化した点にあります。
元々は「で、出た〜www」と打たれていたものが、予測変換の面白さやタイピングの勢いから「出、出〜www」と漢字一文字で代用されるようになりました。すると、ネット民の悪ノリはさらに加速します。「出、出」が許されるなら、中の文章もすべて漢字にできるのではないかという実験が始まったのです。
その結果生まれたのが、以下のような「疑似漢文」スタイルです。
「出、出ーwwww於大百科此単語検索奴〜wwww」
(意味:で、出た〜! ニコニコ大百科でこの単語を検索している奴〜!)
2013年から2014年にかけては、このフォーマットを収集・自動投稿する「出、出〜奴bot」が数十個単位で乱立しました。当時、学生を中心に「テスト前なのに部屋の掃除始める奴」「期末直前に提出物諦め奴」といった自虐ネタが大量に投稿され、RT(リツイート)数が数万規模に達することも珍しくありませんでした。煽り構文が、いつの間にか「思わずやってしまうダメな自分たち」を肯定し合う自虐のコミュニティツールへと変貌していったのです。