七海建人は、生得術式を持たない、あるいは血統的なアドバンテージを持たない術師が多いなかで、研ぎ澄まされた技術と冷静な戦況判断によって「1級呪術師の鑑」と称される実力者です。
彼の操る術式「十劃呪法(とおかくじゅほう)」は、対象の長さを線分とした際、「7:3」の比率の地点に強制的に弱点を作り出す能力です。生身の人間や呪霊はもちろん、無機物にも適用可能であり、格上の相手に対しても致命傷を与える打撃を可能にします。さらに、破壊した対象に呪力を籠めて広範囲を破砕する拡張術式「瓦落瓦落(がらがら)」や、自らに時間制限を課して制限時間外に爆発的な呪力出力を得る「時間外労働」の縛りを駆使します。
かつて京都の百鬼夜行において「黒閃(こくせん)」を4回連続で発生させた実績は、彼の集中力と呪力制御の精度が突出している証左です。領域展開を持たないという明確な限界を抱えつつも、自己の能力を過不足なく把握し、最善の手を打ち続ける職人肌の戦闘スタイルこそが七海の真骨頂でした。