現在の戸田橋花火大会を語る上で避けて通れないのが、観覧席の全面有料化モデルです。無料エリアがほぼ撤廃されたため、大会の真価を体感するには戸田花火大会 有料席チケットの確保が必須条件となりました。しかし、チケットを申し込む前に絶対に知っておくべきは、「戸田側」と「いたばし側」、さらには戸田側の「東エリア」と「西エリア」における演出の思想的断絶です。
戸田側は数年前の大規模リニューアル以降、会場を大胆に二分割しました。荒川下流側の「東エリア」は伝統的な尺玉や職人の技巧をじっくり鑑賞する重厚な花火大会、一方の上流側「西エリア」は最新の音響設備とレーザー光線、アップテンポなJ-POPや洋楽を完全同期させたシンクロ花火ショーという、全く異なる表情を持たせています。板橋側が名物「尺五寸玉」や関東最長級「大ナイアガラの滝」といったクラシックかつ圧倒的な破壊力で勝負するのに対し、戸田側は極めて現代的なエンターテインメント演出へと舵を切っています。
市内在住者向けの先行販売枠で良席の大半が埋まるため、一般販売(ローソンチケットやイープラス等)での争奪戦は熾烈を極めます。特に音楽と完全にシンクロする「西エリアA席」や「ペアシート」は発売開始数分で完売する傾向が顕著です。静かに花火自体の芸術性を味わいたい大人の鑑賞者であれば、あえて倍率が落ち着いている「東エリア」の指定席を狙うのが賢明な戦略と言えます。