本館の最大の見どころとして世界中から称賛を集めているのが、最上階の6階に配された「グラス・アート・ガーデン」です。現代ガラス美術の第一人者である米国人作家、デイル・チフーリ(Dale Chihuly)氏が率いるスタジオが手掛けたこの空間は、国内屈指の規模を誇る壮大なインスタレーションです。
暗がりの中に浮かび上がる「シャンデリア」群、富山の海と自然を想起させる有機的な形態が群生する「トヤマ・ミルフィオリ」、そしてベネチアの伝統的吹きガラス技法を大胆に拡張した巨大な作品群は、見る角度や光の加減によって全く異なる表情を見せます。チフーリ氏自身が生前語った「ガラスとは光そのものを内包する唯一の彫刻素材である」という言葉の真意が、現地に身を置くことで直感的に理解できます。
さらに見逃せないのが、4階の常設展示室および2〜3階のギャラリーで展開される富山市ガラス美術館の企画展です。同館は「富山国際ガラス大賞展」の開催拠点でもあり、世界数十カ国から集まる新進気鋭のガラス作家による最先端の表現を定期的に紹介しています。単に「美しい工芸品」を並べるのではなく、環境問題、身体性、デジタル社会との接点をガラスという脆くも強靭なメディウムを通して問い直すキュレーションは、現代アートシーンにおいても極めて高い評価を獲得しています。