審美歯科の現場で長年ゴールドスタンダードとして扱われているオパールエッセンスですが、ネットの掲示板やSNSではネガティブな体験談が散見されます。その代表格が「効果を感じられない」という不満と、「歯や歯茎がズキズキ痛む」という訴えです。臨床データを紐解くと、これらには明確な生化学的・物理的根拠が存在します。
まず、オパールエッセンス白くならない理由の筆頭に挙げられるのが、対象となる歯の状態とのミスマッチです。有効成分である過酸化尿素は、エナメル質内の有機着色物質を化学的に分解・無色化するメカニズムを持ちます。しかし、過去の治療によるレジン(プラスチック)やセラミックなどの人工歯、神経を抜いて黒ずんだ失活歯には一切反応しません。また、幼少期の抗生物質服用に起因するテトラサイクリン歯の重度変色も、通常の塗布だけで劇的にトーンを上げることは困難です。さらに、歯の表面にバイオフィルムや歯石が付着したままジェルを塗布しても、成分が深層まで浸透せず漂白反応が阻害されてしまいます。
もう一方の「痛み」に関しては、過酸化尿素が分解して生じる過酸化水素が象牙細管を刺激することによって生じます。とりわけエナメル質が薄い日本人の歯質は、欧米人に比べて刺激を受けやすい傾向にあります。ジェルを欲張って多量にマウスピースへ注入し、歯茎にあふれ出て粘膜を化学熱傷させて白くただれさせてしまう事例も少なくありません。
万が一強い刺激を感じた場合のオパールエッセンス痛い時の対処法としては、速やかにトレイを外し、ぬるま湯で口腔内のジェルを完全に洗い流すことが最優先です。その後は無理に連日使用せず、2〜3日間の休止期間を設けるか、硝酸カリウム配合の知覚過敏ケア歯磨き粉や、ウルトラデント社が提供する専用のしみ止めジェル(ウルトラEZなど)をトレイに入れて30分ほど装着することで、神経の興奮を素早く鎮めることができます。