ネット上の掲示板やSNS上でのリアルな体験談を分析すると、自己紹介カードに対する受け手の本音が浮き彫りになる。多くの人が「初対面で何を話せばいいか分からない沈黙の恐怖」を抱えている一方で、過度なアピールに対しては強い抵抗感を示している。
都内のIT企業で人事育成を担当する女性(32)は、新入社員研修での実態を次のように明かす。「従来は堅苦しい経歴シートを配布していましたが、業務外の素顔が見えず雑談が生まれませんでした。そこで、淡いパステルカラーのカードに『私のトリセツ(機嫌が良くなるお菓子など)』を書かせる形式に変更したところ、休憩時間に先輩社員から『私もそのグミ好きだよ』と声をかける姿が激増し、離職防止やメンター面談のスムーズ化に直結しています」。
また、子育てコミュニティの現場でもカードの存在感は大きい。幼稚園の保護者会に参加した母親の証言によると、「入園当初、周囲はお互いに警戒して挨拶だけで終わっていましたが、園から渡されたカードの隅に『夜泣き対応で毎朝ボロボロです』と正直な手書きメモを添えたところ、降園時に『うちも昨晩大変で…』と3人のママ友から話しかけられました。立派な肩書きや完璧な子育て論ではなく、ほんの少しの弱みを見せることが最大の共感トリガーになると痛感しました」と語る。
推し活の現場においても、X(旧Twitter)上で交換されるカード文化は熱を帯びている。「現場でのトレカ交換時、自作のカードを添えて渡すのが定着している。メンカラ(メンバーカラー)をベースにしつつ、参戦歴よりも『どの曲のどのパートが好きか』というピンポイントなこだわりを書いたカードは、その場ですぐに意気投合して長年の遠征仲間へと発展するケースが多い」という声が多数を占める。