段状に配置された構造の恩恵を最も受けているのが、各住戸の間取りと採光・通風環境です。下の階の屋根部分が上の階のルーフテラスとなるため、ほぼ全戸に広々とした屋外テラスが確保されています。
多くの住戸でリビングがテラスとフラットに繋がり、南側に広がる神戸港のパノラマビューを日常的に楽しめるのが最大の魅力です。室内には安藤建築の代名詞である打ち放しコンクリートが効果的に使われており、時間の移ろいとともに光と影の陰影が美しく表情を変えます。
一方、実際の住み心地や評判を検証すると、斜面建築ならではの個性的な側面も見えてきます。エレベーターから自宅玄関までの移動に屋外階段や斜行通路を使う場面が多く、「日常の移動が良い運動になる」「雨の日の移動に少しコツがいる」といった声も聞かれます。しかし、そうした手間を補って余りある圧倒的な開放感とステータス性から、居住者の満足度は極めて高い水準を保っています。