旅情をそそるフレーズとして定着している「世界三大夜景」ですが、実は函館・香港・ナポリという組み合わせには、明確な国際機関による認定証や公式規定が存在していたわけではありません。昭和後期の高度経済成長期からバブル期にかけ、日本の旅行代理店や航空会社、各種メディアが「世界を代表する美しい港町夜景」として紹介したことで広く浸透したという背景があります。
一方、2012年に初めて発表され、その後も定期的に改選が行われている「世界新三大夜景」は、国内外の夜景鑑賞士数千名による厳格な投票と現地調査に基づき、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロー(YCPB)が公式に認定した枠組みです。この新ランキングでは、モナコ・香港・長崎が選ばれ、日本の長崎が世界最高峰の夜景都市として国際的な名誉を獲得しました。
「新旧の違い」の根本にあるのは、「知名度優先の歴史的通説」か「学術的・観光的基準に基づく最新の認定」かという選定プロセスの差です。単なる光の量だけでなく、持続可能な夜間景観やアクセスの良さ、都市全体の魅力向上への取り組みが問われる時代へとシフトしています。