2001年に公開された映画版を語る上で外せないのが、息をのむほど洗練されたキャスト陣の熱演です。
主人公・阿形順正を演じたのは竹野内豊。どこか憂いを帯びた眼差しと低音の美声、クラシックなイタリアの街並みに見事に溶け込む佇まいは、まさに「情熱を内に秘めた冷静な男」そのものでした。本作で竹野内豊は日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞し、俳優としての評価を不動のものにしました。
そしてヒロインのあおいを演じたのは、香港のトップ女優ケリー・チャン。完璧な美貌と透明感、流暢な英語を操りながら、心の中に消えない傷を抱える孤独な女性を圧倒的な存在感で演じ切りました。
さらに、順正の現在の恋人・芽実を演じた篠原涼子の鬼気迫る熱演や、友人の崇を演じたユースケ・サンタマリアの自然体な演技、大塚寧々やマイケル・ウォンといった国際色豊かな脇役陣が、物語に重厚なリアリティをもたらしています。