家系ラーメンを語る上で避けて通れないのが、スープに含まれる大量の脂質と食塩相当量の存在です。スープを一口啜った瞬間に広がるパンチのある旨味は、科学的に見れば「高脂質×高ナトリウム」の極致と言えます。
家系ラーメン1杯に含まれる脂質量は、一般的なラーメンが10〜15g程度であるのに対し、30〜45g前後に達します。これは成人男性が一日に必要とする脂質摂取目安量(総エネルギーの20〜30%、約50〜65g)の半分以上を1食で満たしてしまう数値です。特に表面に浮かぶ「鶏油(チーユ)」は大さじ1杯(約12g)あたり約110kcalを有し、注文時に「油多め」をコールすると、それだけで約150〜200kcalの純粋な脂質が上乗せされます。
さらに深刻なのが塩分量(食塩相当量)と健康影響です。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」における1日の食塩摂取目標量は、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満とされています。世界保健機関(WHO)の基準に至っては1日5.0g未満です。
対して、家系ラーメン1杯(スープ完飲時)の食塩相当量は約7.5〜9.0g。つまり、スープを一滴残らず飲み干す「完まく」を行うと、たった1杯で1日分の塩分摂取上限を丸ごと突破することになります。過剰な塩分は急激な細胞浸透圧の上昇を招き、翌日の極度のむくみ(水分貯留による見かけ上の体重増加)や血圧急上昇の引き金となります。