二人の関係を語る上で避けて通れないのが、「毛利蘭は江戸川コナンの正体が工藤新一であると気づいているのか」という疑惑です。作中において蘭は、過去に幾度となくコナンの正体を疑ってきました。
代表的な疑惑エピソードとして以下の局面が挙げられます。
- 原作3巻/アニメ7話『コナンはピアノソナタを弾く』等初期:寝顔や鋭い推理力から「新一なの?」と直接問い詰める。
- 原作14巻/アニメ96話『追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件』:眼鏡を外した顔の一致から確信に近い疑念を抱くが、有希子の機転により誤魔化される。
- 原作25〜26巻/アニメ188〜193話『命がけの復活』:蘭がコナンの血液型を把握し無言で輸血を受け入れたことで正体を確信。しかし、服部平次の変装と解毒薬による新一の同時出現によって疑惑が完全にリセットされる。
メディアやSNS上では「これだけ証拠が揃っているのに気づかないのは不自然」という声もしばしば上がります。しかし、心理学的な観点から見れば、蘭にとって新一は「幼少期から誰よりも信じ頼ってきた存在」です。「大好きな人が自分に嘘をつき続けるはずがない」という心理的防衛機制(否認)が働くこと、そして薬で人間が縮むという非科学的現実を受け入れ難い常識人としての感覚が、疑念を押しとどめる要因として説得力を持っています。