現場の実態を検証すると、アイドリングが引き起こす被害は車の損耗にとどまりません。SNSや各種掲示板、JAF(日本自動車連盟)への救援要請データには、ドライバーの軽率な判断が招いた凄惨な現場の声が記録されています。
最も深刻な事態を招くのが、冬季の雪道 マフラー埋没による事故です。降雪地帯の立ち往生や、スキー場周辺での車中泊 エンジンかけっぱなし時に、降り積もる雪によって車のマフラー(排気口)が塞がれる事象が毎年報告されています。JAFが行ったテスト検証によると、マフラーが雪で埋もれた状態でエンジンをかけ続けると、わずか16分で車内のCO(一酸化炭素)濃度が危険レベル(400ppm)に到達。約40分後には意識を失い死に至る1,000ppmを突破しました。
一酸化炭素は無色・無臭であるため、睡眠中やスマートフォンの操作に没頭している間に吸い込んでも気付くことができません。頭痛やめまいを覚えたときにはすでに手足の自由が利かなくなっており、自力で脱出できずに死亡するケースが毎年のように報道各社から報じられています。
都市部のコンビニエンスストア駐車場でも、トラブルの火種は絶えません。近隣住民の手記やネット上の口コミでは、「深夜にアイドリング音と排気ガスを部屋に流し込まれ、耐えかねて警察に通報した」「エンジンをかけたまま店内に入った隙に、ギアがパーキングから動いて無人暴走し、店舗のガラスを粉砕した事故を目撃した」といった生々しい証言が多数確認できます。ちょっとした横着が、他人の生活環境を破壊し、時に刑事事件へ発展する実態が浮かび上がります。