大学の専攻とは?学部・学科の違いと履歴書・就活の落とし穴を全解剖

大学の専攻とは?学部・学科の違いと履歴書・就活の落とし穴を全解剖

大学の専攻とは?学部・学科の違いと履歴書・就活の落とし穴を全解剖に関するポイントを詳しくまとめました。最新データをご覧ください。

大学の組織構造において、教育と研究を円滑に行うために階層的な区分が設けられている。もっとも混同されやすい「学部」「学科」「専攻」の三者は、学問を掘り下げる「解像度の違い」と捉えると理解しやすい。

学校教育法第85条において、大学には「学部を置くことを常とする」と規定されており、学部は法的に設置が義務付けられたもっとも大きな教育研究上の基本組織である。法学部、経済学部、文学部、工学部、理学部といった枠組みがこれに該当する。文部科学省の学問系統分類でいえば「大分類」に相当する組織だ。

その学部の中に設置されるのが「学科」である。工学部の中に「機械工学科」「電気電子工学科」「情報工学科」が分かれ、文学部の中に「哲学科」「史学科」「国文学科」が分かれるように、特定の学問領域(中分類)ごとに学生と教員が配置される。

そして「専攻」とは、学科の内部で学生がさらに絞り込んで研究・学習する「特定の学問分野(小分類)」を指す。たとえば文学部史学科の中に「日本史学専攻」「東洋史学専攻」「西洋史学専攻」が設置されていたり、理工学部情報学科の中に「人工知能専攻」「ネットワークシステム専攻」が用意されているケースが典型だ。大学によっては専攻の代わりに「コース」「専修」「プログラム」といった呼称を用いることもあるが、実質的な機能は同義である。

立教大学や中央大学などの文学部のように、学科を細分化せず「文学科」の直下に複数の専攻・専修を配置して緩やかに専門を選択させる大学も存在する。専攻とは、学生自身が大学4年間で「どの領域の専門家として卒業研究を修めたか」を証明する最小単位の研究領域を意味している。

大学院研究科と専攻の違い|学士課程との逆転構造

学士課程(学部)と大学院(修士・博士課程)では、「専攻」という言葉の位置づけが大きく変化する点に注意しなければならない。大学院には「学部」や「学科」という単位が存在せず、最上位の組織として「研究科」が置かれる。

大学院における構造は「研究科 > 専攻」となる。たとえば「法学研究科 民事法専攻」「工学研究科 物質化学専攻」のように、研究科の直下に専攻が設置される。学士課程では「学部 > 学科 > 専攻」と3段階の末端に位置していた専攻が、大学院では研究科の直下に位置する基幹組織として機能する。履歴書等で最終学歴を記載する際、大学院修了者が「〇〇研究科〇〇専攻 修士課程修了」と書くのはこの制度設計に基づいている。

大学専攻英語表記Majorの国際基準|Faculty・Departmentとの違い

国際的な学位基準や英文履歴書(Resume/CV)において、専攻は「Major(メジャー)」と表記される。日本の大学組織を英語に翻訳する場合、以下のような厳密な使い分けがなされている。

学部は「Faculty」または「School / College」(例:Faculty of Law, School of Engineering)、学科は「Department」(例:Department of Computer Science)、そして学生自身が主たる専門分野として専攻した領域が「Major in 〜」となる。副専攻を履修した場合は「Minor(マイナー)」と表記する。海外の教育機関とのやり取りや外資系企業への出願では、「I majored in Economics at Faculty of Political Science and Economics」のように、学部組織と自身の専攻分野を明確に切り分けて記述するのが国際標準のマナーである。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。