親が亡くなったとき、遺族が真っ先に抱く疑問が「一体いくらの未支給年金が振り込まれるのか」という点です。これを正確に把握するには、日本の公的年金特有の支給スケジュールを理解しなければなりません。
日本の公的年金(国民年金・厚生年金)は、偶数月の15日に「前月および前々月の2ヶ月分」が支払われます。たとえば、4月15日に振り込まれるのは2月分と3月分の年金です。そして、法律上、年金の受給権は「死亡した日の属する月」まで発生します。ここで極めて重要なのは、月半ばや月初(例えば1日)に亡くなった場合でも日割り計算はされず、その月の満額が支給対象になるという事実です。
では、未支給年金計算方法と受け取れる月数のパターンを整理してみましょう。基本的には「亡くなった時期」と「直近の年金受取日」の前後関係によって、未支給となる月数が1ヶ月分または2ヶ月分に確定します。
- 奇数月(例:5月)に亡くなった場合:直前の4月15日に2月・3月分が支給済みです。そのため、未支給となるのは「4月分」と死亡月である「5月分」の計2ヶ月分になります。
- 偶数月(例:6月)の年金支給日前に亡くなった場合:4月・5月分が未払いのまま死亡したため、計2ヶ月分が未支給年金となります。
- 偶数月(例:6月)の年金支給日以降に亡くなった場合:6月15日に4月・5月分が正常に口座へ入金されていれば、未払いとして残るのは死亡月である「6月分」の1ヶ月分のみとなります。
厚生労働省の統計調査によると、厚生年金受給者の平均月額は約14万5,000円、国民年金のみの場合は約5万6,000円です。夫婦世帯で夫(元会社員)が亡くなったケースを想定すると、死亡月年金受給額目安としては、2ヶ月分の未支給年金が発生した場合で約20万〜35万円前後、国民年金単体でも約11万円前後が一度に支払われる計算になります。決して無視できないまとまった金額が、遺族の請求を待っている状態と言えます。