高校の定期テストや大学入学共通テストにおいて、「葵の巻・車争い」は古文読解問題の超頻出出典です。得点に直結する重要単語、助動詞の意味、そして最大の難所である「敬語の主客判別」を整理します。
頻出フレーズの品詞分解と敬語の方向
【用例】「遅れて参り給へる大御息所の御車、立ち並むべき隙もなかりければ」
- 参り(まゐり):動詞「参る」(ラ行四段・連用形)。ここでは葵の上の行動に対する謙譲語(場所への敬意、あるいは習慣的表現)。
- 給へる(たまへる):補助動詞「給ふ」(ハ行四段・已然形=尊敬語)+完了の助動詞「り」(連体形)。「給ふ」は筆者(紫式部)から葵の上への敬意。
- 大御息所(おほみやすんどころ):ここでは葵の上を指す尊称。※六条御息所と混同しないよう要注意!
- べき:当然・可能の助動詞「べし」の連体形。「並ぶことができるような」の可能の意味。
テストで絶対に落とせない最重要古文単語3選
- やつる(やつれたる):現代語の「やつれる(痩せ衰える)」ではなく、古文では「目立たないように地味な格好をする」「身分を隠して粗末な姿になる」という意味。御息所がお忍びであったことを示す超重要語。
- ことごとし(ことごとしう):「大げさだ」「仰々しい」。葵の上の従者たちが大声を上げて大げさに威嚇した様子。
- 下衆(げす):身分の低い者、従者。道徳的な「ゲス」ではなく、身分階層を指す単語。
【入試テクニック】主語の識別を間違えないコツ
この場面は主語が頻繁に省略されます。「誰が車を押し退けたのか(葵の上の従者)」「誰が耐え忍んでいるのか(六条御息所)」「誰が通り過ぎたのか(光源氏)」。古文の主語判別では、「文末の敬語レベル」に注目してください。従者が主語の文には尊敬語が使われず、葵の上や御息所が主語の文には「給ふ」「おはす」などの最高敬語が用いられます。