金魚すくいを制するうえで、道具を手にした瞬間に勝負は始まっています。まず絶対に確認しなければならないのがポイの裏表と持ち方です。プラスチック製の枠には、和紙が平らに接着されている「表面」と、フチに段差(溝)がある「裏面」が存在します。
すくう際に使うべきは、凹凸のない平らな「表面」です。裏面を水に向けてしまうと、水圧が和紙を枠から剥がす方向へダイレクトにかかり、接着面からペロリと剥離してしまいます。表面を使っていれば、水圧は紙を枠に押し付ける方向に働くため、糊が剥がれにくく枠全体の強度が保たれます。
持ち方に関しては、うちわのように柄を手のひら全体で強く握りしめるのは悪手です。人差し指と親指の2本で柄を軽く挟み、中指を下に添える「鉛筆持ち」あるいは「箸の持ち方」に近似したフォームをとることで、手首の微細なスナップを利かせられるようになります。
さらに生命線となるのが水に入れる角度です。水面に対して水平にポイを叩きつけると、衝撃波で紙が一瞬にして破断します。水面に侵入させる際は、必ず「45度の角度」を維持し、水を鋭利な刃物でスライスするように静かに差し入れなければなりません。水中を移動させる際も、常に傾斜をつけて水の抵抗を逃がし、魚を捉える一瞬だけ水平にしてすくい上げる動作が鉄則です。