中国茶を淹れるプロセスで最も誤解されやすいのが、1煎目の湯を捨てる「洗茶(温潤泡)」です。字面から「汚れや農薬を洗い落とす作業」と受け取られがちですが、現代における洗茶の主たる目的は、固く締まった茶葉を温めて解し、香りのスイッチを入れる「覚醒作業」にあります。
特に固形に緊圧されたプーアル茶の淹れ方や、茶葉が固く丸められた球状の烏龍茶の淹れ方において、洗茶の成否が全体の味わいを左右します。失敗する人の大半は、湯を注いだ後に通常の抽出と同じように30秒から1分も放置してしまいます。これでは茶葉の最もピュアで贅沢な旨味成分をすべてシンクに捨てているのと同義です。
失敗を防ぐ洗茶の正しいやり方は以下の手順を徹底することです:
1. しっかり予熱した茶器に茶葉を投入し、沸騰した熱湯を一気に注ぎます。
2. 蓋をしてから3秒〜5秒以内に、間髪入れず湯をすべて捨て切ります。
3. 湯を切った後、茶器の蓋をわずかに開け、立ち上る蒸気のアロマ(茶葉本来の香り)を深く吸い込んで確認します。
このわずか数秒の刺激によって茶葉の繊維が水分と熱を吸い、2煎目(実質的な最初の1杯)から濁りのないクリアな芳香とふくよかな甘みが一気に引き出されます。なお、芽が極めて柔らかい高級緑茶や白茶の新芽(白毫銀針など)は、成分が流出しやすいため洗茶を行う必要はありません。