SNSや大手質問投稿サイトを調査すると、「ステーキと同じように、豚バラも強火で表面を固めて肉汁を閉じ込めるべき」という言説が散見されます。しかし、精肉のプロや調理現場の料理人は口を揃えてこの風説を否定します。厚みのある豚バラ肉において強火加熱を行うと、外側だけが数秒で炭化し、肝心の内部にある脂身の塊が溶け出す前に肉の組織が収縮して硬化してしまうためです。
ネット上の料理コミュニティに寄せられたリアルな声の推移を見ても、「ペーパーで脂を吸いながら弱中火で焼く方法に変えたら、子どもたちが『お店のお肉みたい!』とお代わりを連発した」「今まで胃もたれしていたのは肉質のせいではなく、単に自分の焼き方が油揚げ状態にしていただけだった」という気付きが圧倒的多数を占めています。
「強火で短時間」が通用するのは、薄切りの豚こま肉やロース肉を炒め物に使う場合の話です。厚み5ミリを超える豚バラ焼肉用においては、じっくりと脂を追い出しながらカリ化させる低温〜中火のアプローチこそが正解となります。