霞が関の組織において、職員は大きく「キャリア」と「ノンキャリア」に二分されます。この区分は採用試験の種類によって厳格に決まっており、入省初日から将来の昇進スピードや担う役割に明確な境界線が引かれます。
キャリア官僚とは、難関の国家公務員総合職試験(旧Ⅰ種)を突破して採用された幹部候補生を指します。主な任務は法律案の作成、国家予算の編成、国家戦略の企画立案といったマクロな政策決定です。一方のノンキャリアは一般職試験(旧Ⅱ種・Ⅲ種)などで採用され、個別具体的な行政事務や執行業務のスペシャリストとして現場を支えます。
両者の差が最も顕著に現れるのは昇進スピードです。キャリアは入省10年前後で本府省の「課長補佐」へと一律で昇進し、40代前半には「企画官」や地方自治体の部長職、40代後半には組織の要である「課長」へと駆け上がります。対してノンキャリアは、選抜された優秀層であっても課長補佐に到達するのが40代後半以降となるケースが大半です。
かつては「東大出身者が過半数」を占めた採用大学の勢力図も変化しています。現在も東京大学や京都大学をはじめとする旧帝国大学や早慶が上位を占めるものの、地方国立大や私立大からの採用割合が増加傾向にあり、出身校の多様化が進んでいます。