山手線といえば誰もが思い浮かべる「ウグイス色」。国鉄の正式呼称で「黄緑6号」と呼ばれるこの塗色が採用された背景には、当時の切実な輸送事情と誤乗防止の狙いがありました。
103系が投入される前、山手線には前世代の高性能電車である101系が走っていました。当時の101系に塗られていたのは鮮やかな「カナリアイエロー(黄5号)」。しかし、中央・総武緩行線にも同じ黄色い電車が投入されたことで、秋葉原駅などで乗客が乗り間違えるトラブルが多発しました。そこで山手線の独自性を打ち出すため、新緑を想起させ、都心のビル群にも映えるカラーとして選ばれたのがウグイス色でした。
1963年12月に登場した山手線向けの103系試作車からこの黄緑6号が本格採用され、瞬く間に「山手線=ウグイス色の電車」という都市イメージが定着していきました。その後、夏場の猛暑対策として冷房改造や集中式冷房装置(AU75)を搭載した量産冷房車の投入が進み、ウグイス色の103系は名実ともに東京の顔としての地位を固めました。