山口県の温泉を巡る際、ネット上で散見される典型的な誤解が「どの温泉地も似たようなアルカリ泉で、違いが分かりにくい」という声です。しかし、これは各温泉地の歴史的背景と利用目的を取り違えた認識といわざるを得ません。
たとえば、山間に静かに佇む「俵山温泉」は、観光型のリゾートホテルが立ち並ぶ温泉地とは一線を画しています。俵山温泉湯治効能は、古くからリウマチや関節痛、皮膚疾患の緩和において全国屈指の実績を誇り、環境省指定の国民保養温泉地にも選ばれています。酸化還元電位が極めて低く、「還元力が極めて高い生きた源泉」を維持するため、宿に内湯を作らず外湯「町の湯」「白猿の湯」で源泉を集中管理しています。歓楽要素を求めるとミスマッチになりますが、本質的な静養を求める人々にとっては唯一無二の聖地です。
対照的に、日本海の雄大な景色を味わうなら「萩温泉郷」が筆頭候補に挙がります。海沿いに佇む萩温泉郷絶景宿では、夕暮れどきに赤く染まる日本海と夕日を露天風呂から一望できるパノラマビューが最大の魅力です。塩分を含む泉質のため保温・保湿力が高く、湯冷めしにくい特徴を持ちます。
また、隠れた名所として見逃せないのが山口県温泉穴場隠れ家の数々です。一の俣温泉のトロトロとした極上の化粧水のような湯ざわりや、山あいの清流沿いに湧く木部谷温泉の間歇泉など、知る人ぞ知る名湯が県内各地に点在しています。さらに下関方面へ足を伸ばせば、熱した瓦の上で茶そばを香ばしく焼き上げる川棚温泉名物瓦そばを味わいながら、開放的な山口県日帰り温泉露天風呂を巡る贅沢なドライブコースが広がっています。