イラスト投稿コミュニティや作画添削の現場を調査すると、伸び悩むクリエイターに共通する顕著な傾向として「影のつけすぎ(陰影過多)」が挙げられます。「立体感を出したい」という焦りから、頬、ほうれい線の位置、眉間、おでこなどに過剰にグラデーションを塗り重ねてしまうケースです。
人間観察やポートレート作画における心理学的見地から言えば、人間の視覚は顔の特定部位にある影を「加齢のサイン」や「骨張った老け感」として無意識に認識します。特に若いキャラクターを描く場合、頬の中央に大きな影を入れると頬骨がこけた印象を与え、可愛らしさや若々しさが著しく損なわれます。
プロのイラストレーターが描くキャラクターの顔面は、実は全体の70%以上が明るいベースカラー(受光部)で占められています。影はあくまで「輪郭の際」「髪の毛の落ち影」「鼻の下」「首元」など、構造の境界を定義する最小限のエリアに限定して配置する引き算の美学が、清潔感のある絵柄を成立させる決定打となります。