映画界からテレビドラマへと主戦場が広がるなかで、高橋英樹さんは自らの代名詞となる時代劇の代表作を次々と生み出していきます。なかでも1976年から日本テレビ系列で放送された『桃太郎侍』(全258話)は、テレビ時代劇史に輝く不朽の金字塔です。
「ひとーつ、人の世の生き血をすすり…」という決め台詞とともに、般若の面を外して悪人たちの前に立ちふさがる桃太郎の姿は、日本中の視聴者を熱狂させました。特筆すべきは、共演者やスタントマンからも「日本一」と称賛された圧倒的な殺陣(たて)の美しさとスピードです。181cmの恵まれた体躯から繰り出される豪快な太刀筋は、力強さと華麗な足さばきが完璧に調和しており、どんなに早い立ち回りでも切っ先が乱れることがありませんでした。
さらに1982年からはテレビ朝日系列の『遠山の金さん』で主演を務め、桜吹雪の刺青を披露する粋な町奉行・遠山景志郎を熱演。『三匹が斬る!』シリーズの矢坂平四郎役など、高橋さんが見せる豪快にして爽快な剣技は、時代劇黄金期を牽引する絶対的な原動力となりました。