失われた30年はなぜ起きた?給料が上がらない真相と2026年の現在地

失われた30年はなぜ起きた?給料が上がらない真相と2026年の現在地

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経済論壇やメディアで日常的に使われる「失われた30年」ですが、具体的に「いつからいつまで」を指すのか、その定義を正確に把握している人は多くありません。起算点となっているのは、1991年前後に発生したバブル経済の崩壊です。1989年末に日経平均株価が史上最高値の38,915円を記録した直後、日本銀行による急激な金融引き締め(公定歩合の引き上げ)と、旧大蔵省による「不動産融資総量規制」が引き金となり、熱狂の宴は突如として終焉を迎えました。

1990年代半ばまでは「一過性の景気後退」と楽観視されていたものの、決定打となったのが1997年の金融危機です。三洋証券、北海道拓殖銀行、そして大手証券の一角であった山一證券が連続して破綻。金融機関が抱え込んだ膨大な不良債権が顕在化し、日本経済は信用収縮という名の血の巡らない身体へと変貌しました。この時期から物価と給与が持続的に下落し続ける「デフレスパイラル」へと足を踏み入れます。

当初は「失われた10年」と呼ばれていた停滞は、2000年代初頭の小泉構造改革や外需主導の景気回復を経ても国内の賃金上昇にはつながらず、2008年のリーマン・ショックで完全に頓挫。「失われた20年」へと期間が延長されました。さらに2013年から始まった第2次安倍政権によるアベノミクス(大規模金融緩和)期においても、株価や企業利益は回復したものの実質賃金の本格反騰には至らず、名実ともに「失われた30年」という空前の停滞期が完成することとなったのです。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。