彼の本名は赤井貴。かつては劇団に所属し、踊り子や役者を目指して汗を流していた苦労人だ。若き日に経験した下積み生活と、芽が出ない焦り。白塗りという過激なスタイルに行き着いたのは、生き残るための苦肉の策であり、表現者としての執念の結実であった。
普段の赤井貴としての素顔は、物静かで謙虚な中年男性そのものだ。楽屋では物静かに台本を読み込み、スタッフへの腰も低い。白塗りメイクという強い鎧を身に纏うことで、彼は普段の自己を抑圧し、怪物「コウメ」へと変身する。この二面性こそが、彼の息の長い芸能生活を支える心理的メカニズムと言えるだろう。