水産業界には古くから「夏枯れ(夏場は魚の種類が減り、味も落ちる)」という言葉が存在します。しかし、これは冷蔵・冷凍技術や高速輸送網が未発達だった昭和初期以前の遺物であり、現代において「夏の魚は不味い」と考えるのは明確な誤解です。前述の通り、夏にこそ旬の極みに達する魚種が多数存在します。
また、ウナギと土用の丑の日に関する歴史的背景も知っておくべきポイントです。江戸時代に平賀源内が考案したとされるキャッチコピーが発祥であることは広く知られていますが、実は天然ウナギの本来の旬は、越冬に向けて脂を蓄える「晩秋から初冬(10月〜12月)」です。ただし、現在市場に出回る養殖ウナギは、夏の土用の丑の日に合わせて最も肉質が柔らかく脂が乗るよう徹底した水温・給餌管理が行われているため、夏場の養殖ウナギはスタミナ補給食として極めて高品質です。