弟の急逝後、和義の心は完全に崩壊しました。「死ぬべきだったのは自分の方だった」という罪悪感に押しつぶされた彼は、精神的なショック(心因性失声症)により自らの肉声を完全に封印してしまいます。これが、スケットダンスにおけるスイッチの喋らない理由の真相です。
さらに和義は、外見を正文そっくりに変え、弟の遺品であるメガネをかけ、弟が生前開発していたパソコンの音声合成ソフトを使って会話を始めました。「兄の和義」としての自己を抹殺し、「弟の正文(=スイッチ)」として生き直すことで、罪を償い、弟をこの世界に生かし続けようとしたのです。無機質な機械音声の裏側には、想像を絶する自己否定と痛切な哀しみが隠されていました。