「トースターでお菓子作りやオーブン料理を代用できるか」という疑問に対する答えは、「作ろうとするメニューの厚みと膨張の必要性によって完全に分かれる」というのが料理研究家や家電検証の現場における共通見解です。
代表例として挙げられるクッキーの焼き方では、トースターでの代用が十分に可能です。ただし、オーブンと同じ感覚で天板に並べてスイッチを入れると、数分で表面が炭化して中は粉っぽさが残ります。トースターでクッキーを綺麗に焼くコツは次の通りです。
- 生地の厚みを3〜5mm程度と薄めに成型する。
- 天板にアルミホイルを敷いて並べ、上部にもふんわりとアルミホイルを被せて直火を遮る。
- 弱〜中ワット数(600W〜800W程度)で8〜10分じっくり焼き、最後に上のホイルを外して1分ほど加熱し焼き色をつける。
一方で、代用が絶対に不可能なメニューも明確に存在します。代表格がスポンジケーキ、シフォンケーキ、マフィン、シュークリーム、発酵を伴う食パンなどです。これらは庫内全体の安定した空気熱によって生地内部の水分を気化させ、膨らませながらタンパク質を凝固させる必要があります。トースターの近距離加熱では、生地が膨らむ前に表面だけが焼き固まり、ヒーターに近づきすぎて発火する危険性すらあります。
料理においては、具材に火が通っているグラタンやドリアの焦げ目づけならトースターが最適ですが、生の鶏もも肉を丸ごと焼き上げるローストチキンや分厚いハンバーグなどは、表面が焦げても中心温度が安全圏(75℃以上)に届かないため、オーブンでの調理が鉄則となります。