彼女の名を世界中のポップカルチャー史に刻みつけた決定打といえば、2017年の超大作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』におけるマンティス役への抜擢でした。
額に2本の触角を持ち、相手に触れるだけでその感情を読み取り共鳴・コントロールする能力を持つエンパス(共感者)。ジェームズ・ガン監督が描くマンティスは、コミカルで世間知らずでありながら、孤独と純粋さを併せ持つ極めて繊細なキャラクターでした。ポムは昆虫を思わせる独特の小刻みな首の動きや、大きな黒目がちな瞳の奥に見え隠れする哀愁を巧みに体現。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』、そして物語の完結編となった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: VOLUME 3』に至るまで、チームになくてはならない愛されキャラクターとして唯一無二の地位を確立しました。
さらに世界を震撼させたのが、大ヒットスパイアクション映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』での暗殺者パリス役です。マンティスの愛くるしいキャラクター像とは180度異なる、一言も発さずに獲物を追い詰める狂気じみたアサシンを怪演。狭い路地での激しい格闘戦や、巨大な装甲車を運転してローマの街を猛スピードで疾走するカーチェイスなど、主演のトム・クルーズと互角に渡り合う壮絶な肉弾戦を披露しました。
撮影現場の報道関係者の証言によると、彼女は撮影中、よりリアルな痛みを求めてトム・クルーズに対して「本気でお腹を蹴っていい」と懇願したという逸話まで残されています(トム本人は紳士的に固辞したとのこと)。役作りのためなら自らの肉体を限界まで追い込むストイックな姿勢は、CG全盛の時代において極めて稀有な「本物のアクションスター」としての風格を漂わせています。