札幌のガーデニング文化を牽引してきた「雪印種苗園芸センター」から突如として発信された告知は、多くの園芸ファンにとってまさに青天の霹靂でした。雪印種苗株式会社の公式発表資料によると、同センターは2026年10月25日(日)の営業をもって完全閉店することが正式に決定しています。告知自体は2026年8月下旬から9月1日にかけて店頭および公式Webサイト上で行われ、瞬く間にSNSや地元メディアを通じて拡散されました。
同センターが開設されたのは、バブル経済華やかなりし1990年のことでした。以来、約36年間にわたり、春から秋にかけて咲き誇る各種の花苗、プロ仕様のバラ苗木、庭木、観葉植物、培養土などの園芸資材を幅広く提供。一般的な量販店では手に入らない希少な品種や、北海道の寒冷地気候に適した丈夫な苗を多数取り揃えていたことから、全道各地から熱心なファンが車を走らせて集う園芸の聖地として定着していました。
また、同センターが位置する札幌市厚別区上野幌1条5丁目の地は、雪印グループにとっても極めて重要な記念碑的拠点です。大正時代に始まった北海道製酪販売組合の歴史を受け継ぎ、かつてこの地でバターづくりが本格化したことから「雪印バター発祥の地」の記念碑が建立されている由緒ある場所でもあります。同社は札幌市白石区中央に本社ビルや関連拠点を構えながら、厚別区上野幌の広大な敷地をBtoC(一般消費者向け)の直営フラッグシップ拠点として活用してきました。それだけに、今回の営業終了決定は単なる一店舗の撤退にとどまらず、地元コミュニティにとってもひとつの時代の節目を印象づけています。