日本人の知的好奇心を揺さぶり続けてきた至高の問い——三種の神器の筆頭格たる秘宝は、いったい今どこにあるのか。結論から述べれば、古代より伝わる本尊は名古屋市熱田区の熱田神宮にある深遠な奥殿に奉安されていると信じられている。一方、皇居に留まるのは平和を祈念するための「形代」、すなわち分身たる複製だ。
もっとも、熱田神宮の神職であっても、重々しい木箱に納められ強固に封じられた神宝を拝することは許されない。明治時代、宮内庁の前身組織が学術的調査を試みた際にも、神聖侵犯を恐れる神社側の激しい拒絶によって立ち入りは阻止された。徹底した非公開が貫かれているからこそ、「本当に社の中に現物が実在するのか」という疑念と浪漫が絶えず交錯する。