「自分が働かないことに罪悪感はない」。かつてテレビ番組のインタビューでと言い放った言葉は、パフォーマンスでもハタリでもない。札幌市内の住宅街にある居拠点。そこで営まれているのは、一般的な「家庭」の常識を軽々と超えた共同生活だ。
複数のパートナー女性が交代で働き、家計を維持する。彼は朝から子どもたちの世話をし、料理を作り、家事全般を仕切る。一見すれば高度に組織化された主夫業のようにも見えるが、その根底にあるのは「彼女たち全員を平等に愛する」という独自のゲームルールだ。嫉妬や不満が爆発しないわけがない——誰もがそう予測するが、当事者たちのコミュニティ内では、緻密なスケジュール管理と直感的なコミュニケーションによって、奇妙な均衡が保たれ続けている。