文化人類学やメディア論の観点からも、この現象は熱い視線を注がれている。「通常、髪に食べ物がついていれば衛生的な拒絶反応が勝つはずだ」と語るカルチャー系ライターも多い。しかし、芋けんぴという選定の見事さがそれを打ち消している。
米粒やラーメンの麺では生々しすぎる。チョコやキャンディではあざとすぎる。油で揚げて砂糖を絡めた堅固な「芋けんぴ」だからこそ、乾いた質感と圧倒的なシュールさが成立するのだ。シリアスな恋愛シーンに突如として挿入される和菓子の無骨さ。この完璧な調和と崩しのバランスこそが、時代を超えて人々を魅了する最大の仕掛けである。