近年、日本の近海漁業は歴史的な環境変化に直面している。海洋地球科学の研究機関が発表したデータによると、日本近海の表面水温は過去数十年の推移を上回るペースで変動しており、これが親イカの接岸時期や産卵場の分布を歪めている。
漁獲量のボラティリティ(変動幅)が大きくなったことで、市場での流通価格は乱高下を繰り返す。かつては庶民の食卓を彩る春の風物詩だったが、現在ではすっかり「高嶺の花」としての性格を強めつつある。
産地側の努力も続いている。佐賀県呼子や福岡県宗像などの主要産地では、鮮度保持技術(活締めや特殊冷水処理)の導入を推進。一パイごとの価値を高めて全国へ即日出荷するブランディング戦略を強めており、これが価格の下支えにつながっているのが現状だ。