「契約書にサインさえすれば何でも法的に認められる」と誤解されがちですが、日本の民法には公序良俗(民法第90条)の規定があり、社会通念上不当な条項は法的に無効と判断されます。
【無効と判断されやすい危険な条項の代表例】
- 親権を事前に放棄させる条項:「離婚した場合は必ず夫(または妻)が親権を持つ」「養育費は一切支払わない」といった子供の福祉を害する約束は無効です。親権や養育費は離婚時の実情を踏まえて決定すべきものとされています。
- 法外に高額な違約金設定:「浮気をしたら1億円支払う」「遅刻1回につき10万円」など、客観的な損害や一般的な裁判例の相場から著しく乖離したペナルティは公序良俗違反となります。
- 別居や離婚を強制・禁止する条項:「性格が合わなくなったら即座に協議離婚に応じる」「何があっても絶対に離婚しない」など、個人の身分上の自由を過度に束縛する取り決めは法的な拘束力を持ちません。
- 夫婦の協力義務を完全に放棄する条項:「家事はすべて妻が行い、夫は一切関与しない」など、夫婦間の同居・協力・扶助義務(民法第752条)を根底から否定する内容は認められません。
せっかく作成した契約書がただの「紙切れ」にならないよう、裁判所で通用する実効性を持たせるには、法的な境界線を熟知した弁護士による監修が極めて有益です。