保護者が直面する現実的なハードルが、「いつから保育園に登園させてよいのか」という判断です。
インフルエンザや麻疹とは異なり、手足口病は学校保健安全法において一律の「出席停止」に指定されていません。これには医学的・社会的な明確な根拠があります。前述のとおり、症状が治まった後も数週間にわたって便からウイルスが出続けるため、ウイルスの完全消失を登園基準に設定すると、子どもたちは約1ヶ月間も登園できなくなり、社会活動が完全に破綻してしまうからです。
こども家庭庁の保育所における感染症対策ガイドラインや日本小児科学会の指針では、以下の条件を満たせば登園可能と定められています。
【一般的な登園許可の目安】
① 発熱がなく、平熱が24時間以上続いていること
② 口腔内の水疱や痛みが落ち着き、普段どおりの食事や水分補給ができること
③ 全身状態や機嫌が良好であること
医師の「登園許可証(治癒証明書)」の提出を求めるかどうかは自治体や園の方針によって分かれますが、多くの施設では保護者が記入する「登園届」で対応しています。発疹が残っていても、本人が元気で食事が摂れていれば集団生活への復帰は問題ないと判断されます。