エネルギー源となる炭水化物や脂質をどれほど摂取しても、それらを分解して生体エネルギー(ATP)へ変換する代謝経路が滞っていれば、体はガス欠状態のまま動かざるを得ません。この代謝プロセスの補酵素として中枢を担っているのがビタミンB群です。
ビタミンB群疲労回復効果の真相は、単に筋肉のコリをほぐすといった局所的な作用ではなく、細胞レベルでエネルギー産生回路(TCA回路)を円滑に回転させる点にあります。とくに主食である米やパンなどの糖質を分解してエネルギーに変える過程では、ビタミンB1が絶対的な必須補酵素となります。B1が不足すると乳酸などの疲労物質が体内に蓄積しやすくなり、どれだけ休養をとっても抜けきらない「重だるさ」となって表面化します。
また、脂質の代謝をサポートするB2や、タンパク質の再合成を促すB6が不足すると、全身の組織修復が遅延します。慢性的な疲労感を感じている人の多くは、摂取カロリー自体は足りているものの、代謝に必要な補酵素が決定的に不足している「新型栄養失調」に陥っているケースが臨床現場でも多数報告されています。