SNS上では定期的に「デシリットルは日本独自のガラパゴス教育であり、世界では使われていない」「子どもの算数嫌いを生むだけの無駄な学習だ」といった極端な意見が拡散されることがあります。しかし、事実関係を精査するとこれらは明らかな誤認です。
まず「世界で使われていない」という言説についてですが、ヨーロッパ諸国をはじめとする海外では、日常生活の料理レシピや飲料表記にデシリットルが普通に使われています。特にスウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国、あるいはフランスやドイツの料理本では、牛乳や生クリーム、小麦粉などの分量が「2 dL」「1.5 dL」と当たり前のように記載されています。計量カップにも「dL」の目盛りが刻まれており、決して日本だけのローカルな単位ではありません。
また、「使わない単位を教えるのは時間の無駄」という批判に対しても、科学リテラシーの観点から反論が成り立ちます。デシ(d=1/10)、センチ(c=1/100)、ミリ(m=1/1000)、キロ(k=1000倍)といった接頭語の仕組みを体系的に知ることは、将来的に理科や物理、工学を学ぶ上での基盤となります。音の強さを表す「デシベル(dB)」や、土壌測定の「デシメートル(dm)」など、現代社会を支える技術用語の根底には共通のルールが息づいています。