韓国において2012年の初演以来、上演のたびに驚異的なチケット完売記録を更新し続けているミュージカル『エリザベート』。このメガヒットの立役者となったのが、韓国の大型グランドミュージカル制作を牽引するEMKミュージカルカンパニーです。
韓国版の最大の特徴は、オーストリアの歴史絵巻という枠組みを超え、人間の内面に潜む情念と自由への渇望を極限まで増幅させた演出構成にあります。巨大な二重回転盆や宙を舞う「死の橋」、象徴的に配置されるトートダンサーの肉体表現など、視覚的スペクタクルは他のどの国のプロダクションとも一線を画しています。
原作者であるシルヴェスター・リーヴァイ氏が韓国キャストの歌唱力と表現力に惚れ込み、韓国プロダクションのために新たなナンバーの追加やアレンジを快諾した経緯は、現地の演劇界でも広く語り継がれる事実です。繊細な心理描写を基軸とする日本版とは対照的に、韓国版は「感情のダイレクトな爆発とベルカントからロックベルティングまでを自在に操る圧倒的歌唱」で観客を圧倒し、観る者に強烈なカタルシスをもたらします。