「リトリート(Retreat)」という言葉の語源は、英語で「退却」「隠れ家」「避難所」を意味します。もともとは軍事用語としての後退や、宗教的な文脈における「静かな場所に身を隠して祈りや瞑想に専念する時間」を指していました。現代のウェルネス領域においては、「日常の人間関係や多忙な生活環境から物理的・精神的に離れ、心身をリフレッシュして自分自身と向き合う過ごし方」として定着しています。
多くの人が混同しやすいのが「一般的な観光旅行」との違いです。観光旅行の主目的は「外部からの刺激」であり、名所観光、ご当地グルメの食べ歩き、ショッピングなど、タイムスケジュールを詰めて活動することが中心になります。そのため、旅先で多くの思い出ができる反面、帰宅後に「旅行疲れ」を感じてしまうケースも珍しくありません。
一方、リトリートの目的は「内部の調律」です。予定をあえて詰め込まず、自然豊かな環境で過ごす時間そのものを味わいます。観光名所を巡る移動時間を削り、静寂の中で睡眠リズムを整えたり、体をいたわる食事を摂ったりすることで、エネルギーの消耗ではなく「エネルギーの充填」を目指す点に最大の特徴があります。