人気・知名度ともに定着していたタイミングでの独立発表は、当時多くの音楽ファンや業界関係者に驚きを与えました。しかし、当時の公式声明や各種メディアのインタビューで語られた言葉を丹念に紐解くと、そこには極めて前向きで必然的なクリエイターとしての決断が浮かび上がってきます。
最大の転機となったのは、2026年に世界を襲ったコロナ禍でした。多くの公演がストップし、表現の場が急速にオンラインや個人の発信力へとシフトする中で、姉の小春と妹のももは「自分たちの音楽を、自分たちの手とスピードでファンに直接届けたい」という原初的な衝動を強く再認識することになります。
大手レーベルや大手事務所に所属していると、プロモーション規模やタイアップ獲得の面で恩恵を受ける一方、企画からリリースまでのタイムラグや予算配分の制約は避けられません。「思いついた面白いことを、明日にでも形にしたい」という2人のDIY精神と、大組織の構造との間に生じたギャップを解消するための選択が、個人事務所「合同会社ゲィジュツ」の設立でした。
事務所との確執や姉妹間の不仲による分裂といったネガティブな要因は一切なく、メジャーで培った経験と人脈を携えて次のステージへ飛び出した「ポジティブな脱皮」であったことが、独立後の円滑なタイアップ継続や精力的な活動からも証明されています。