同じうなぎ料理でありながら、「うな重」と「ひつまぶし」の間には調理法や食べ方の哲学において明確な違いが存在します。単に「お茶漬け用の出汁が付いているかどうか」だけではありません。
最大の違いはうなぎのカットサイズと焼きの強さにあります。うな重は身を大きく切ってふっくらとした肉厚感を楽しむのに対し、ひつまぶしはお茶漬けにした際に出汁やご飯と均一に絡むよう、幅7〜10mm前後の細短冊状に細かく刻まれているのが特徴です。また、出汁を注いでも皮の香ばしさを保てるよう、ひつまぶしのうなぎはより強火でカリッと焼き上げられます。
お茶漬けにかけるのは「出汁」か「お茶」か?
ひつまぶしにおける長年の疑問として「出汁をかけるのか、緑茶やほうじ茶をかけるのか」という議論があります。結論から言えば、現代の名店の主流は鰹や昆布で引いた特製出汁(吸地)です。歴史的には煎茶やほうじ茶をかけていた時代もあり、現在でも静岡や一部の老舗では緑茶を使用する店舗が存在しますが、名古屋圏の専門店ではうなぎの旨味を引き立てる淡麗な和風出汁がスタンダードとなっています。