竜田揚げの調理手法は鶏肉だけに留まりません。実は、青魚などの魚介類を調理する際にこそ、その真価が発揮されます。
サバの竜田揚げが美味しい科学的理由
サバやイワシ、マグロといった青魚は特有の生臭み成分(トリメチルアミンなど)を持っています。サバの竜田揚げの作り方において、醤油・酒・多めの生姜汁に漬け込むことで臭みが中和され、片栗粉のコーティングによって魚の良質な脂(DHA・EPA)が外へ逃げ出さずに閉じ込められます。魚嫌いの子どもでも食べやすいおかずとして給食の定番になっているのも、この調理技術の理にかなった効果によるものです。
山賊焼きとフライドチキンとの識別基準
外食市場で混同されやすい関連メニューとの違いを整理しておきましょう。
長野県の中信地方(松本市・塩尻市など)発祥の郷土料理である「山賊焼き」と竜田揚げの違いは、肉の形状と下味のパンチ力にあります。山賊焼きはカットした肉ではなく、鶏もも肉やむね肉を大判のまま1枚使い、強烈なすりおろしニンニク醤油に漬けて片栗粉でバリバリに揚げたダイナミックな料理です。
一方、フライドチキンと唐揚げの違いは「味付けの付与方法」にあります。唐揚げが肉自体に下味を染み込ませるのに対し、フライドチキンは肉には塩水(ブライン液)などで保水処理を施す程度にとどめ、衣となる小麦粉側にハーブやスパイスをブレンドして外側から強い風味を付与します。