2024年4月に本格導入された医師の時間外労働規制。あれから2年が経過した2026年、医療現場の混乱は収まるどころか、新たな歪みを生み出している。特に中規模病院における医師確保のハードルは跳ね上がった。当直明けの勤務インターバル規制やアルバイト医師の派遣引き揚げにより、シフトのやり繰りは限界に近い。第一病院も例外ではなく、限られた人員でいかに医療の質を担保するかが日々の最優先課題となっている。
「書類仕事に追われ、患者の顔を見る時間が減るのだけは避けたい」。現場の若手医師は本音を漏らす。タスクシフティング(業務の移管)を進め、看護師やクラークへの権限委譲を進めるものの、教育コストと責任の所在という新たな壁が立ち塞がる。制度の理念は美しくとも、現場のマンパワーが急に増えるわけではない。このギャップを埋めるための模索が続いている。