語源については諸説あるが、有力なのは幼児語起源説である。排泄を意味する「うん」に、親しみを込める接尾語「こ」が付いたとする見方が一般的だ。日本語には「ねんね」「まんま」「おしっこ」など、同じ構造を持つ幼児語が多数存在する。「うんこ」もその一群に属すると考えると、語の成り立ちは非常に自然である。
別の説として、排泄時の唸り声や力み声に由来するという擬音起源説、あるいは古語の「うむ(産む・生む)」との関連を指摘する研究者もいる。いずれにせよ、確定した語源は学術的に一本化されておらず、複数の由来が重なった可能性が高い。重要なのは、「うんこ」が下品な造語ではなく、日本語の幼児語体系のなかで正統に発達した語だという点である。
歴史を遡ると、江戸時代の文献にも「うんこ」に類する表記が確認できる。当時は庶民の日常語として定着しており、明治以降の近代化のなかで「大便」「糞便」といった漢語・医学語が公的領域を占めるようになっても、「うんこ」は家庭内・子ども言葉として生き残った。この二重構造が、現代に至るまでの「うんこ」の立ち位置を決定づけている。