本作の中核を担う「未来古代楽団」は、音楽・物語・ビジュアルを総合芸術として統合する稀有なユニットです。主宰の砂守岳央氏は、小説家や舞台演出家としての顔も持ち、音符の一つひとつに明確な文脈と感情のドラマを編み込むクリエイターとして知られています。
『忘れじの言の葉』において構築された「架空の伝承音楽」のような質感は、打ち込み音源が主流のデジタル時代において、極めてオーガニックな温もりと神秘性を放っています。流行のサウンドパターンに迎合せず、普遍的な物語の力と旋律の美しさを追求した職人的アプローチがあったからこそ、10年近くの歳月を経ても一切色褪せないタイムレスな輝きを保ち続けていると言えます。