多くの患者を診てきた心療内科医は、この問題の根深さを「コミュニケーションの非対称性」にあると指摘する。妻側にとっては日々の些細な不満の吐露や、家事・育児の分担に対する正当な要求のつもりであっても、受け手である夫にとっては逃げ場のない「責め苦」に感じられるケースが少なくない。特に真面目で責任感が強く、感情を表に出すのが苦手な男性ほど、ストレスを内側に溜め込みやすい傾向がある。
結果として、夫は家庭内で常に緊張状態に置かれることになる。帰宅時に玄関のドアを開けるだけで動悸がする、妻の足音が聞こえるだけで身構えてしまうといった、一種のトラウマ反応を示すケースも珍しくない。